

突然のことで、何から手をつけていいか全く分かりません。遺品を片付けるだけじゃなく、手続きとかやるべきことが多すぎて…。全体像が見えず、本当に途方に暮れています。

お気持ちお察しします。突然のことで、やるべきことの多さに圧倒されてしまいますよね。ご安心ください。一つひとつ順番に片付けていけば大丈夫です。この記事では、遺品整理の全てを網羅した「やることリスト」を用意しました。
突然のことで、遺品整理に何から手をつければ良いか分からず、やるべきことの多さに途方に暮れていませんか?ご安心ください。この記事では、複雑で多岐にわたる遺品整理の「やること」を、時系列に沿った分かりやすいチェックリスト形式で網羅的に解説します。
事前準備から遺品の仕分け、不用品の処分、ライフラインや相続などの各種手続き、失敗しない業者の選び方まで、遺品整理の全体像と具体的な進め方がすべて分かります。
1. 遺品整理を始める前にまずやること


父が亡くなり、悲しんでいる暇もなく遺品整理を考えなければなりません…。焦る気持ちから、つい手当たり次第に片付け始めてしまいそうですが、後で何かトラブルにならないか不安です。

お気持ち、痛いほど分かります。悲しみの中で、無理に片付けを始める必要はありませんよ。実は、本格的な整理の前に必ずやるべき準備があるんです。これを済ませておくだけで、後のトラブルをぐっと減らせます。最初のステップを、一緒に確認していきましょう。
故人を偲び、悲しみに暮れる間もなく始まってしまうのが遺品整理です。何から手をつければ良いのか分からず、途方に暮れてしまう方も少なくありません。しかし、本格的な整理に取り掛かる前に、必ず済ませておくべき重要な準備があります。
これらの準備を怠ると、後々親族間でのトラブルに発展したり、余計な金銭的負担が発生したりする可能性があります。ここでは、遺品整理をスムーズに進めるための最初のステップを具体的に解説します。
1.1 親族との話し合いとスケジュール共有

遺品整理は、相続人全員の協力のもとで進めるのが基本です。 特定の相続人が独断で遺品を処分してしまうと、後から「大切な形見を勝手に捨てられた」といった深刻なトラブルに発展しかねません。 まずは相続人全員で集まる機会を設け、遺品整理の進め方やスケジュール、役割分担についてしっかりと話し合いましょう。 遠方に住んでいる親族がいる場合は、全員が参加できる日程を調整することが大切です。
話し合いでは、感情的にならず、お互いの意見を尊重する姿勢が重要です。特に形見分けについては、誰が何を希望しているのかを事前にリストアップしておくとスムーズに進みます。また、業者に依頼する場合の費用負担についても、この段階で合意形成を図っておくことで、後の金銭トラブルを未然に防ぐことができます。
項目 | 主な内容 |
---|---|
スケジュールの調整 | いつから遺品整理を始めるか、誰がいつ作業に参加できるかを具体的に決めます。 |
役割分担 | 全体の進行役、貴重品の捜索役、不用品の仕分け役など、大まかな役割を決めます。 |
形見分けの方針 | 誰がどの遺品を希望しているかを確認し、分配のルール(例:希望が重複した場合は抽選)を決めます。 |
費用負担の合意 | 不用品の処分費用や、業者に依頼する場合の費用を誰がどのように負担するかを明確にします。 |
1.2 遺言書やエンディングノートの確認

遺品整理を始める前に、何よりも優先して確認すべきなのが遺言書やエンディングノートの有無です。遺言書には財産の分配や遺品の処分に関する故人の法的な意思が記されている場合があり、その内容を無視して整理を進めると法的な問題に発展する恐れがあります。 遺言書は、仏壇の引き出しや金庫、貸金庫などに保管されていることが多いですが、公証役場や法務局で保管されているケースもあります。
自筆で書かれた封印のある遺言書を見つけた場合、その場で開封してはいけません。 家庭裁判所で「検認」という手続きを経る必要があり、勝手に開封すると法的な効力を失う可能性があるため注意が必要です。 一方、エンディングノートには法的な効力はありませんが、故人の希望や想いが綴られている大切な記録です。デジタル遺品に関するIDやパスワードが記載されていることもあるため、必ず内容を確認し、故人の意思を尊重した整理を心がけましょう。
1.3 賃貸物件の契約内容確認と大家への連絡

故人が賃貸アパートやマンションに住んでいた場合は、早急な対応が必要です。 賃貸契約は名義人が亡くなっても自動的に解約とはならず、手続きをしない限り家賃が発生し続けます。 まずは賃貸借契約書を探し出し、契約内容、特に「解約予告期間」と「原状回復義務」の項目を必ず確認してください。 これにより、いつまでに部屋を明け渡さなければならないのか、どこまで清掃や修繕が必要なのかが明確になります。
契約内容を確認したら、速やかに大家さんや管理会社へ連絡を入れ、契約者が亡くなった旨を伝えます。 その後の解約手続きや退去までの流れについて指示を仰ぎましょう。特に孤独死などのケースでは、特殊清掃が必要になる場合もあります。 退去日が決まると、そこから逆算して遺品整理のスケジュールを立てる必要があるため、この連絡と確認は非常に重要な初動となります。
2. 【実践編】遺品整理の具体的な進め方 やることリスト


いざ遺品整理を始めようと部屋に入ったものの、あまりのモノの多さに圧倒されています…。どこから手をつけて良いか分からず、貴重品を間違えて捨ててしまいそうで、何も進みません。

そのお気持ち、よく分かります。目の前の膨大な遺品を前に、途方に暮れてしまいますよね。ご安心ください。やみくもに始める必要はありません。実は、遺品整理には効率的で間違いのない手順があるんです。これから、誰でもできる3つのステップに分けて具体的に解説しますね。
遺品整理を実際に進めるにあたり、やみくもに手を付けると時間も労力も余計にかかってしまいます。この章では、貴重品の捜索から不用品の処分まで、具体的な「やること」を3つのステップに分けて解説します。一つひとつの作業を丁寧に行うことで、故人を偲びながら、スムーズに整理を進めることができるでしょう。
2.1 貴重品や重要書類の捜索

遺品整理の第一歩は、相続手続きや各種契約の解約に不可欠な貴重品・重要書類を見つけ出すことです。これらは紛失すると再発行に多大な手間と費用がかかるため、最優先で捜索しましょう。故人が大切に保管していた場所を想定しながら、丁寧に進めることが重要です。見つかったものは一か所にまとめて、リスト化しておくと後の手続きがスムーズになります。
捜索すべき貴重品や重要書類の代表的なものを以下にまとめました。これらを参考にご自宅内を確認してみてください。
分類 | 具体的な品目例 |
---|---|
貴重品 | 現金、預貯金通帳、キャッシュカード、クレジットカード、実印、銀行印、有価証券(株券など)、貴金属、宝石類、骨董品、ブランド品、金庫 |
重要書類 | 遺言書、エンディングノート、不動産の権利証、保険証券(生命保険・火災保険など)、年金手帳、パスポート、運転免許証、マイナンバーカード、公共料金の領収書、各種契約書 |
故人が貴重品を保管しがちな場所には、いくつかの傾向があります。心当たりがないか、以下のリストを参考に捜索してみましょう。
- 机やタンスの引き出し(鍵のかかる場所は特に注意)
- 仏壇や神棚の引き出し
- 金庫や鍵付きの保管ボックス
- 本棚の本の間やアルバムの中
- 衣類のポケットやバッグの中
- ベッドの下や布団の間
2.2 遺品の仕分け作業(必要 不要 形見分け 保留)

貴重品の捜索が終わったら、次に家財道具や衣類、雑貨といった残りの遺品を仕分けていきます。この作業は、後悔や親族間のトラブルを防ぐためにも、明確な基準を設けて進めることが大切です。 作業を始める前に、遺品を一時的に置くスペースを確保し、「必要」「不要」「形見分け」「保留」と書いた段ボール箱や袋を用意すると効率的です。
仕分けは感情的な負担も大きい作業です。一人で抱え込まず、親族と相談しながら進めることをお勧めします。判断に迷うものは無理に捨てず、「保留」にして、時間を置いてから改めて考えるとよいでしょう。
分類 | 判断基準と具体例 |
---|---|
必要 | 自分や家族が今後も使うもの、相続する資産価値のあるもの。 例:家具、家電、まだ使える日用品、骨董品、美術品 |
不要 | 処分するもの。 例:汚れや破損がひどい衣類や家具、使用済みの食器、古い雑誌 |
形見分け | 親族や故人の友人に譲るもの。 例:故人が愛用していたアクセサリー、趣味の道具、写真、衣類 |
保留 | すぐに判断がつかないもの、処分するか迷うもの。 例:手紙、日記、個人の作品、思い出の品 |
2.3 不用品の処分方法を検討する

遺品を「不要」と判断したものは、適切に処分する必要があります。単にゴミとして捨てるだけでなく、さまざまな方法があります。不用品の状態や種類に応じて、最適な処分方法を選ぶことで、費用を抑えたり、社会貢献に繋げたりすることも可能です。 ただし、どの方法を選ぶにしても、自治体のルールを守り、不法投棄は絶対に行わないでください。
主な処分方法とその特徴を以下の表にまとめました。それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、状況に合った方法を選びましょう。
処分方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
自治体のゴミ収集 | 費用が安い、または無料。 | 分別や搬出の手間がかかる。一度に大量には出せない。 |
買取業者・リサイクルショップ | 現金化できる可能性がある。出張買取に対応している場合もある。 | 値段が付かない場合や、引き取ってもらえない場合がある。 |
フリマアプリ・ネットオークション | 業者より高値で売れる可能性がある。 | 出品、梱包、発送の手間がかかる。すぐに売れるとは限らない。 |
寄付・支援団体 | 社会貢献ができる。必要としている人に役立ててもらえる。 | 寄付できる品目に制限がある。送料が自己負担になる場合がある。 |
遺品整理業者・不用品回収業者 | 仕分けから搬出、処分まで一括で任せられる。手間がかからない。 | 他の方法に比べて費用が高くなる傾向がある。 |
3. 遺品整理で必ず発生する手続き関連のやること


遺品整理は、部屋の片付けさえ終われば一段落だと思っていました…。でも、公共料金やスマホの契約とか、そういった手続きのことは全く頭になかったです。何か大変なことになる前に、やるべきことを教えてください。

そうなんです。実は、片付けと同じくらい「契約の整理」は重要なんですよ。気づいてよかったです。手続きには期限があるものも多く、放置すると損をしてしまうこともありますからね。やるべきことをリストアップしましたので、一緒に確認して、一つずつ着実に進めていきましょう。
遺品整理は、単に物を片付けるだけでなく、故人の生前の契約を整理し、必要な行政手続きを進める重要な作業でもあります。これらの手続きには期限が設けられているものが多く、放置すると過料が発生したり、不要な支払いが続いたりする可能性があります。遺品整理と並行して、計画的に手続きを進めることが大切です。
3.1 ライフラインの解約手続き
故人が一人で暮らしていた場合、電気、ガス、水道といったライフラインの解約手続きが必要です。手続きを忘れると、誰も住んでいなくても基本料金が発生し続けてしまいます。解約手続きは電話やインターネットで可能ですが、契約者を特定するために「お客様番号」などが必要になるため、検針票や請求書を手元に用意しておきましょう。
手続きの種類 | 主な連絡先 | 手続きに必要なもの(例) |
---|---|---|
電気 | 契約している電力会社 | お客様番号、供給地点特定番号 |
ガス | 契約しているガス会社 | お客様番号 |
水道 | 管轄の水道局 | お客様番号、使用者番号 |
電話・インターネット | 契約している通信会社 | 契約者情報、お客様番号 |
新聞・その他定期サービス | 各販売店・サービス提供会社 | 契約者情報、お客様番号 |
3.2 デジタル遺品の整理と解約

現代では、パソコンやスマートフォンの中に残されたデータや、インターネット上の契約も「デジタル遺品」として整理する必要があります。 これには、SNSアカウント、有料のサブスクリプションサービス、ネット銀行や証券口座などが含まれます。特にサブスクリプションサービスは、解約しない限り料金が発生し続けるため注意が必要です。 故人がIDやパスワードをエンディングノートなどに残していないか確認し、不明な場合は各サービスの事業者に問い合わせて手続きを進めましょう。
デジタル遺品の種類 | 対応内容 |
---|---|
PC・スマートフォンのデータ | 写真や連絡先など必要なデータをバックアップし、不要なデータは初期化・消去する |
SNSアカウント(Facebook, Xなど) | 追悼アカウントへの移行、または退会手続きを行う |
サブスクリプションサービス | 動画配信、音楽配信、アプリなどの有料サービスを解約する |
ネット銀行・ネット証券 | 相続財産として金融機関に連絡し、相続手続きを進める |
オンラインショッピングのアカウント | 登録情報を削除し、退会手続きを行う |
3.3 相続関連の手続き

遺品整理と同時に、相続に関する様々な手続きを進める必要があります。これらの手続きには法律で定められた期限があり、特に「相続放棄」や「準確定申告」は期限が短いため迅速な対応が求められます。 手続きが複雑で難しい場合は、司法書士や税理士などの専門家に相談することも検討しましょう。
手続きの種類 | 主な手続き先 | 期限の目安 |
---|---|---|
死亡届の提出 | 市区町村役場 | 死亡の事実を知った日から7日以内 |
年金受給停止手続き | 年金事務所または年金相談センター | 厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内 |
相続放棄・限定承認の申述 | 家庭裁判所 | 自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内 |
所得税の準確定申告 | 税務署 | 相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内 |
相続税の申告・納付 | 税務署 | 被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内 |
4. 業者に依頼する場合にやること 失敗しない選び方


自分たちでやるのは難しいので、業者さんにお願いしようと思っています。でも、ニュースで高額請求とか不法投棄の話を見てしまって…。大切な父の遺品を、そんな業者に任せてしまうのだけは絶対に嫌なんです。

そのご心配は、もっともです。大切なご遺品ですから、信頼できる人に任せたいですよね。ご安心ください。いくつかのポイントを知っているだけで、悪質な業者をしっかり見抜くことができます。後悔しない業者選びのコツを、これからプロの目線で詳しくお教えしますね。
遺品整理は精神的にも肉体的にも大きな負担がかかるため、専門業者に依頼するのも有効な選択肢です。しかし、業者の中には高額な追加料金を請求したり、不法投棄を行ったりする悪質な業者も存在します。大切な遺品を安心して任せられる、信頼できる優良業者を慎重に選びましょう。
4.1 優良な遺品整理業者の見つけ方
優良な業者を見極めるためには、いくつかの重要なチェックポイントがあります。特に、遺品整理に必要な許認可の有無は、その業者が法律を遵守しているかどうかの基本的な指標となります。また、専門知識を持つスタッフが在籍しているかも、サービスの質を判断する上で大切な要素です。
チェック項目 | 確認する理由 |
---|---|
遺品整理士の在籍 | 遺品整理に関する専門知識と法令遵守の意識を持つプロの証明。在籍しているか公式サイトで確認しましょう。 |
必要な許認可の有無 | 家庭から出る一般廃棄物を収集運搬するには「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要です。この許可なく回収を行うことは違法行為にあたります。 |
豊富な実績と良い口コミ | 公式サイトの実績紹介や、第三者の口コミサイトを確認し、実際の利用者からの評判を参考にします。 |
損害賠償責任保険への加入 | 作業中に家財や建物を破損してしまった場合に備え、保険に加入している業者を選ぶと万が一の時も安心です。 |
4.2 複数の業者から相見積もりを取る

業者を選ぶ際には、必ず3社程度の複数の業者から相見積もりを取りましょう。1社だけの見積もりでは、提示された料金が適正価格なのか判断できません。相見積もりを取ることで、料金の相場感を把握できるだけでなく、各社のサービス内容や対応の質を比較検討することができます。
見積もりを依頼する際は、電話やメールだけで済ませるのではなく、必ず現地を訪問してもらい、荷物の量を正確に把握してもらった上で詳細な見積書を作成してもらうことが重要です。その際、以下の点を確認しましょう。
- 作業内容の内訳が詳細に記載されているか
- 追加料金が発生する可能性とその条件が明記されているか
- 貴重品の捜索や買取サービスの有無
- キャンセル料に関する規定
4.3 契約内容と作業範囲の確認

見積もりの内容に納得し、依頼する業者が決まったら、契約を交わします。後々の「言った・言わない」といったトラブルを防ぐため、口約束ではなく、必ず書面で契約を交わすようにしてください。契約書には、作業日時、料金、作業範囲、キャンセルポリシーなどが明記されているか、隅々まで確認しましょう。
特に、作業範囲の認識にズレがないか、事前にしっかりとすり合わせることが肝心です。例えば、「不用品の処分」だけでなく、「室内の清掃」はどこまで含まれるのか、エアコンの取り外しといった付帯作業は料金内かなどを具体的に確認しておくことで、当日の作業がスムーズに進み、予期せぬトラブルを避けることができます。
5. まとめ
遺品整理で「やること」を網羅的なリスト形式で解説しました。遺品整理は単なる片付けではなく、親族との話し合いといった事前準備から、遺品の仕分け、不用品の処分、そしてライフラインの解約や相続といった複雑な手続きまで、やるべきことが多岐にわたります。
特に、親族間のトラブルを避けるためには、故人の遺志を確認し、事前にスケジュールを共有することが不可欠です。時間的、精神的な負担が大きい場合は、無理をせず専門業者に依頼するのも有効な手段です。その際は、複数の業者から相見積もりを取り、サービス内容を比較検討することが、後悔しない業者選びの結論となります。このリストが、故人を偲びながら煩雑な作業を一つずつ着実に進めるための一助となれば幸いです。